いまや多くの企業が推進し、事業や働き方の効率化や企業変革に取り組む「DX」。さらにサステナブルな企業価値の向上を目指す「SX」や「GX」の視点を取り入れる企業も出てきています。計測・制御が支える「製造DX」でも企業経営や事業戦略、製品づくりにSX・GXの視点は欠かせません。
連載コラム「DXからSX・GXへ」では、今回の計測展で展示されるものの中から、カーボンニュートラルの実現に寄与し、新しい価値を生み出し、今後のビジネス拡大が期待される技術や製品を日経BPでセレクト、連載形式で紹介していきます。
「もっと製品のことを詳しく知りたい」「技術者、企画担当から話を聞きたい」という方は、ぜひ計測展会場にお越しください。
SX(サステナビリティトランスフォーメーション)=企業が『持続可能性』を重視し、企業の稼ぐ力(競争優位性)とESG(環境・社会・ガバナンス)の両立を図り、経営の在り方や投資家との対話の在り方を変革する取り組み。
GX(グリーントランスフォーメーション)=政府が掲げるカーボンニュートラルの実現に向けて社会システムそのものを変革する取り組み。
計測技術で水素サプライチェーン実現へ
温度の計測や制御技術で長年定評のあるチノー。実は燃料電池に関する計測や評価装置でも実績がある。その技術力を生かして力を入れるのが、水素を「つくる」「貯蔵する」「運ぶ」ため必要な関連製品。ラインアップを増強し、持続可能な社会実現に役立つ水素サプライチェーンの構築を目指す。同社で製品マーケティングを担当する木村氏に製品の特長を聞いた。
電気代の高騰などエネルギー問題が脚光を浴び、再び水素エネルギーへの期待が高まっています。電力・産業・運輸などのさまざま分野で活用することにより低炭素化を進めることができ、いま世界的に水素サプライチェーンの開発が進んでいます。チノーでは水素にかかわる製造、輸送、貯蔵、利用の現場で、評価試験装置、センシング技術などを提供していきます。
約30年前から燃料電池の評価事業を手がけてきました。社内に脱炭素チームをつくり、水素事業を本格化させたのはここ2~3年のことです。
燃料電池は酸素と水素の化学反応で水と電気が発生します。逆に水に電気を加えることで酸素と水素が取り出せます。この水素を作り出す水電解の過程で使う評価装置などを今回の計測展で出品します。水素を効率よく発生させるための諸条件(温度や圧力、流量、電圧・電流計測)はとても重要で、評価装置にも高精度の技術が求められます。ほかにも液体水素の輸送や貯蔵するときの極低温(-253℃)を正確に計測する「液体水素用測温抵抗体」、水素の漏れを検知する「耐圧防爆形水素センサー」などをそろえています。
耐圧防爆形水素センサーは、配管のなかの水素濃度をリアルタイムで測定できます。何より水素の製造、運搬、貯蔵、利用までトータルでサービスを提供できるのがいちばんの強みです。
水素供給体制などのインフラ整備が重要です。水素は様々な規制があって、安全に対してワールドワイド共通化が進めば事情も変わってきます。自動車はEVだけでなく、燃料電池車も普及してきます。水素ステーションなど、インフラが整備されれば、短時間で充てんできるメリットなどが生きてきます。またエネファームなど発電、蓄電ができる設備も国の後押しがあれば、燃料電池や水素関連のマーケットも広がっていくはずです。
木村 尚司 Kimura Naoji
チノー 営業戦略部部長
1986年チノー入社。脱炭素化に向けた製品開発を推進。今回の計測展出展では「BtoCマーケットの方や医療、物流など、これまでお付き合いのなかった業種の方にもアプローチして、ビジネスチャンスを広げたい」と話す。
もっと詳しく製品のことを知りたいという方へ。
27日13~15時、木村さんがチノーの展示ブース(小間No.11)にいます(不在や商談中の場合はご了承ください)。新しい事業開発や共創のチャンス。ご希望の方は、ブースでお声がけください。